当日の状況に合わせた処置によって費用は前後いたします。
また麻酔薬使用によるための外来で術前検査費用が別途にかかります。
無痛分娩がもし行えない場合も、硬膜外麻酔処置を一度行った場合には、
処置料や薬品、麻酔器具、又は頸管拡張器具等を使用するため無痛分娩料金を頂きます。
最終的な分娩費用についてはお産の経過により異なりますので、分娩終了後にお問合せください。
無痛分娩
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数多くのお問い合わせやリピーターの妊婦様よりお声から、
時代のニーズに応え、当院でも無痛分娩(和痛分娩)を開始することになりました。
現在までの27年間で、帝王切開施行時の脊髄くも膜下麻酔や、
総合病院勤務時代の数多くの硬膜外麻酔の現場に触れた経験に加え、
麻酔科専門医の御力添えもいただき、安心して出産に挑んでいただける環境をご提供いたします。
当院の無痛分娩について、メリット・デメリット、注意点についてご案内いたします。
無痛分娩を検討されている方、無痛分娩について知りたい方は、ぜひ当院にご相談ください。
無痛分娩とは
無痛分娩は、出産時の痛みを緩和するために行われる医療的な処置です。無痛分娩の麻酔法としては、硬膜外麻酔が一般的であり、「硬膜外無痛分娩」と呼ばれます。アメリカやフランスでは約8割が無痛分娩であり、世界規模のみならず日本でも希望者が急増しています。(現在令和6年度で東京では3割以上となっております。)
麻酔方法
「硬膜外無痛分娩」は、背中をエビのように丸めてもらい、腰背部より特別な針を使用し、背骨と靭帯の間、脊柱管の中の硬膜外腔への直径1mm程カテーテルを入れ、そこから少量の麻酔薬を注入することで麻酔の範囲や強さを調節し陣痛の強さを軽減します。帝王切開等に使用する「脊髄くも膜下麻酔」と違い、運動神経や知覚神経は麻痺せず、 分娩時の記憶もあり、「いきむ」時にも有効であることから、出産時の感動も味わうことのできる分娩に適した(胎児にも影響のない)麻酔方法です。
無痛分娩のメリット
痛みの軽減
出産時の痛みには個人差がありますが、無痛分娩を行うことで痛みを大幅に軽減することができます。これにより、痛みに恐怖心のある方や、前回の出産にトラウマのある方も精神的に安定した状態で分娩に臨むことができます。
体力の温存
出産は長時間にわたることが多く、体力の消耗が早いものです。痛みが軽減されることにより、体力の消耗と、分娩時のダメージを抑えることで、産後の回復が早くなります。
様々な方へ対応が可能
高齢出産(経産婦)や高血圧、糖尿病、先天性心疾患、術後などの方でも負荷なく経腟分娩が可能とされています。
母親にも赤ちゃんにも負担を軽減
陣痛に耐えられずギブアップ帝王切開になる方の減少が可能と言われています。麻酔により産道周囲の組織が緩むため分娩時の赤ちゃんに対する負担が軽減され、また、会陰の伸びも良く裂傷も少ないと言われております。
無痛分娩のデメリット
経済的な負担
通常の分娩費用に加え、8万〜12万程費用がかかります。
将来的には助成金が考慮されております。分娩時間の延長
無痛分娩を行うと、痛みが弱くなるため、陣痛 (子宮収縮) が弱くなることがあります。
その結果出産にかかる時間が延びることがあります。
合併症や副作用に関しては、症状に合わせた適切な対応をさせていただきます。
当院での無痛分娩適応外の方
BMI28 以上の方、体重 75kg 以上の方
非妊娠時より 15kg 以上増加の方(妊娠 36 週時母体重適応外の方は麻酔科医と相談して可能であるかを決めます)身長 150cm 以下、身長が低い方で胎児が大きい場合
40 歳以上の初産婦の方
腰椎ヘルニア、腰椎骨折で手術既往のある方
麻酔アレルギーの既往がある方
血小板数 10 万/㎣以下や、急激な血小板数減少の方や、
凝固系異常や、その治療中の方、
血液をサラサラにするサプリメントを飲んでいる方大動脈狭窄や閉塞性肥大型心筋症の方
低血圧、高度の脱水、全身の浮腫が強くなった場合
低置胎盤や骨盤位(逆子)の方
診察、処置等に非協力的な態度(パニックも含む)、
麻酔時の体制などを拒否する方
当院での無痛分娩の流れ
希望の申し込み
妊婦検診時に、無痛分娩の希望を伝えます。
受診後に申し込みが必要です。
適応外の場合もあります。
(他院でキャンセル待ちの方でも予約可能な場合もあるので、妊娠週数に関係なくお問い合わせください。)事前の説明と同意
無痛分娩の麻酔法や分娩の進め方については、通院中の方は妊娠 30 週頃に前もって医師や助産師より説明があります。
妊娠 36 週までに同意書への署名が必要です。(それ以降の週数でも他院から転院の方はご相談下さい。)計画無痛分娩のスケジュール
経産婦(妊娠38週頃)
妊娠 36~37 週前後で、子宮口や児頭の下降を確認し、計画誘発無痛分娩の時期を決定します。分娩予定日が近づくと夜間に出産が早まる可能性があるため、早めの計画が推奨されます。
初産婦(妊娠38~40週)
子宮口の熟化や児頭の下降を見て、分娩時期を決定します。子宮口が薄く、児頭が十分に下降している場合は予定日より早く誘発分娩を行うことがあります。
子宮口の熟化や児頭の下降が良好でない場合に早めに行うと、吸引分娩や帝王切開のリスクが高くなることがあります。 (一般的には普通分娩と無痛分娩は帝王切開率に差はありません)
夜間の無痛分娩について
夜間や休祝日はスタッフが少なく、安全性の確保のため、無痛分娩は行っておりません。
上記期間に破水や自然陣痛が始まった場合、分娩が平日の日中まで進行していないこと、さらに他の無痛分娩予定者がいないことを満たす方については無痛分娩の対象とします。また他の無痛分娩予定者のいない場合は、無痛分娩の対象となります。
硬膜外麻酔のタイミング
子宮口が4〜5cm開大し、陣痛が5分間隔になった上で、 妊婦さんから痛みを和らげてほしいとリクエストされたタイミングで麻酔薬を投与します。早すぎる麻酔は微弱陣痛を招き、分娩が進行しづらくなる可能性があります。
麻酔の目標は、陣痛の痛みを10段階中3割程度に抑えることです。
過度な鎮痛は分娩遷延や分娩停止の原因となり、子宮口全開大後もいきめなくなるため、少しの痛みを感じながらの和痛が理想とされております。
無痛分娩は全く痛みをとるわけではないため、最近では和痛分娩と称する産院も多いです。
当院では、安心して無痛分娩をご利用いただけるよう、最善のサポートを心掛けております。
ご不明な点があれば、医師や助産師にお気軽にご相談ください。
無痛分娩の費用
通常の分娩に加え、以下の費用がかかります。
- 経産婦
- 8~10万円
- 初産婦
- 10~12万円